序章

このノートが生まれた背景

なぜ「3つの視点」が必要なのか

この序章で読み取ってほしいこと

  • このノートが、中3当時の手書きノートを下敷きにした「本物の合格記録」であること
  • 単語帳の暗記だけでは越えられない壁が、早慶附属の入試には確かに存在すること
  • その壁を越える鍵が「3つの視点」── 第1章以降で順に手渡される方法論であること

所要時間の目安

約20〜30分 (読み物として通読)

この教材を読み始める前に

この教材は、英検準2級レベル (約3,000語) を一通り終え、英検2級レベル (約5,100〜5,800語) に挑戦している中学3年生を想定しています。 単語帳での基礎暗記が完了していることが、本書を読み進める前提です。基礎が未完成のうちに本書から入っても、効果は限定的になります。

はじめに

この教材は、私が中学3年生のとき、早慶附属高校に合格するまでに恩師から受けた英単語特訓のノートを、現代の中学生が独学でも使えるように体系を再構築・拡充したものです。

ノートの中身そのものは、当時の私が手書きで残した本物です。

ピンクのマーカー、赤と青のボールペン、間違えた箇所に書かれた❌印、右側余白に小さく書き込まれた「なぜそうなるか」のメモ ── すべて、合格に向けて格闘していた中3の私が、恩師の口頭解説を必死に書き留めた痕跡です。

こんな悩みを抱えていませんか?

この教材を手に取ってくれたあなたは、おそらく今、こんな状況ではないでしょうか。

  • 単語帳を1冊覚えたのに、過去問の長文に知らない単語が出てきて頭が真っ白になる
  • 「to V と Ving、どっちを使うの?」と聞かれても、なんとなくでしか答えられない
  • 進行形にできない動詞がある」と聞いたことはあるけど、なぜなのかは説明できない
  • 同じ意味なのに live in と inhabit みたいに前置詞の有無が違う動詞があって、覚えきれない
  • 早慶附属の過去問に手を出したら、長文の最初の3行で挫折した

その気持ち、当時の私もまったく同じでした。

英検2級レベルの単語帳を頑張って覚えても、当日の長文には知らない単語が必ず出ます。動詞の使い方を「なんとなく」で済ませていると、空所補充問題で確実に失点します。

そして当時の私を救ってくれたのが、恩師から受けた「3つの視点」を持つ英単語特訓でした。

なぜこのノートを公開するのか

中3の自分が、夜遅くまで机に向かって、わからないところを恩師に質問して、何度も書き直して作り上げた「思考の記録」── それが、このノートです。

公開を決めた理由は、ふたつあります。

ひとつは、私と同じように悩んでいる中学生に、「単語暗記の上に積み上げる別の視点」があることを知ってほしいから。

英単語は、覚える「順番」と「視点」を変えるだけで、驚くほど深く身につきます。私はそれを、中3のときに恩師から教わりました。あのとき教わらなければ、絶対に合格していなかったと断言できます。

もうひとつは、ノートをただスキャンして売るのではなく、「使える教材」にして渡したかったから。

当時の私のノートは、恩師の口頭解説とセットで初めて意味を持つものでした。ノートだけ見ても、行間の解説がわからなければ理解できません。

そこで今回、当時の自分が恩師から受けた解説を、できる限り再現しながら文章化しました。さらに、早慶附属レベルの演習問題を全180問以上追加し、知識を「使える状態」まで引き上げる構成にしています。

この教材が他と違う5つのこと

① 「早慶附属高合格者の本物のノート」がそのまま載っている

世の中には、プロが書き起こした美しい参考書がたくさんあります。

でも、実際に難関校に合格した中学生が、合格までに作り上げた手書きのノートを見る機会は、ほぼありません。

この教材には、当時の私のノートがそのまま画像で収録されています。

文字の大きさも、線の引き方も、ピンクマーカーで強調した箇所も、間違いを❌で消した跡も、右余白に書き込んだ「なぜそうなるか」のメモも、すべて当時のまま。

「合格者は実際にどんなノートを取っていたのか」を、初めて公開します。

② 「単語暗記の上に積み上げる」3つの視点で、英単語を体系化している

この教材の核心は、英単語を3つの視点で整理し直すことにあります。

  • 視点①:状態V/動作V の区別 → 進行形にできるかどうかが決まる
  • 視点②:自動詞/他動詞 の区別 → 前置詞をつけるかどうかが決まる
  • 視点③:接頭辞・語幹・接尾辞・コアイメージ → 知らない単語でも意味が見える

この3つの視点を持つだけで、英単語の世界が一気に整理されます。

ここで強調したいのは、単語帳での暗記は大前提だということです。それは絶対に欠かせません。この教材は、単語帳の代わりではなく、単語帳を補完する「構造の視点」を提供します。

中3の私は、恩師からこの3つの視点を叩き込まれました。そしてその視点で過去問を解き始めた瞬間、それまで「ただの単語の羅列」に見えていた英文が、構造を持った意味のかたまりとして読めるようになりました。

③ 早慶附属レベルの演習180問以上で「使える知識」にする

知識は、使ってはじめて自分のものになります。

各章末に演習問題を配置し、最終章では早慶附属レベルの総合演習50問を用意しました。すべての問題に、なぜその答えになるのかの解説をつけています。

「ノートを読んで終わり」ではなく、ノートで学んだ視点を使って問題が解けるようになるところまで設計しています。

④ 接頭辞30 × 語幹30 × 接尾辞30で「未知の単語」に対抗する

英検2級レベル (必要語彙数約5,100〜5,800語) を超える単語が、早慶附属の入試では注釈なしで出題されます。

そんな初めて見る単語に出会ったとき、あなたを助けるのが「単語を分解して意味を推測する力」です。

この教材では、接頭辞30個・語幹30個・接尾辞30個 ── 合計90個のパーツを完全マスターします。

接頭辞30個 × 語幹30個 × 接尾辞30個 ─ この3つを30個ずつ覚えるだけで、組み合わせは理論上27,000通りになります。実際にはすべてが英単語として存在するわけではありませんが、それでも約500〜600単語が派生で覚えられます。

これは早慶附属の入試で出題される単語の8〜9割をカバーするレベルです。

⑤ 動詞の使い方を「3パターン」で完全攻略

英文中の動詞を見たとき、瞬時に判断すべきポイントが3つあります。

  • 進行形にできる? できない? (状態V/動作V)
  • 前置詞をつける? つけない? (自動詞/他動詞)
  • 後ろは to V? Ving? それとも C? (SVOC・to V/Ving)

これらを動詞ごとに完全に体系化したのが、この教材の第2〜5章です。動詞編だけで129,000字にわたって、早慶附属で問われる動詞の使い方を網羅しました。

この教材が向いている人・向いていない人

向いている人

  • 早慶附属高校を本気で目指している中学3年生
  • 単語帳を1冊終わらせたが、入試問題で歯が立たない感覚がある人
  • 「なぜそうなるのか」を理解しないと気が済まないタイプの人
  • 英語を構造で理解したい
  • 過去問の長文で、知らない単語に出会うと立ち止まってしまう人

向いていない人

  • 公立高校志望で、基礎レベルの単語暗記から始めたい人 (→ 別の単語帳をおすすめします)
  • 「答えだけ教えてほしい」「なぜは興味ない」というタイプの人
  • 中1・中2の段階で、まだbe動詞と一般動詞の区別が曖昧な人 (→ 教科書レベルを先に固めてください)
  • 単語帳をまだ1冊も終わらせていない人 (→ まず英検準2級レベルの単語帳を1冊完成させてください)

この教材は、早慶附属レベルに挑むための「最後のひと押し」です。基礎ができている人が、単語暗記から脱却するためではなく、単語暗記の上にもうひとつ視点を積み上げるための教材です。

この教材の構成

教材は全11章+付録で構成されています。

タイトル
序章このノートが生まれた背景
第1章英単語を「丸暗記」しない3つの視点
第2章状態V vs 動作V ─ 進行形が取れない動詞をマスターする
第3章文型で覚える動詞 ─ SVOC・使役・SVOO
第4章to V と Ving ─ どちらを取る動詞か
第5章自動詞 vs 他動詞 ─ 紛らわしいペアを完全攻略
第6章英単語を「分解」する 総論
第7章接頭辞30マスター ─ 方向と否定を制する
第8章語幹30マスター ─ 動作の核を掴む
第9章接尾辞30マスター ─ 品詞を見抜く
第10章総合演習 ─ 早慶附属レベル50問
付録ノート全画像・早見表

総文字数:約37万字 (市販の単行本にすると350〜400ページ規模)。

演習問題:全180問以上

この教材の使い方

推奨学習ペース

全11章+総合演習で、1ヶ月〜2ヶ月で1周することを想定しています。

  • 1日1章ペース:11日で1周 (初見、ハイペース)
  • 演習を含めて丁寧に:1〜2ヶ月で1周
  • 直前期の復習に:2週間で2周目・3周目

3周することをおすすめします

  • 1周目:解説を読み込む。ノート画像を眺めて雰囲気を掴む。演習は答えを見ながらでもOK。
  • 2周目:演習を自力で解く。間違えた問題に印をつける。
  • 3周目:印をつけた問題だけ解き直す。ノートの右余白のメモも自分なりに書き加える。

ノート画像の見方

各章には、私の手書きノート画像が収録されています。

最初は文字が読みにくく感じるかもしれません。でも、「読めない」ことそのものが、当時の私が試行錯誤していた証拠です。

きれいに整えられた参考書では味わえない「中3の自分が、必死に頭を整理しようとしていた感覚」を、ノートから感じ取ってください。

そして、解説を読んだあとにもう一度ノートを見ると、ピンクマーカーの位置や、❌印の意味、右余白のメモがすべて理解できるようになっているはずです。

推奨される並行学習

この教材は、以下の学習と並行することをおすすめします。

  1. 英検2級レベルの単語帳を継続的に進める (教材は単語帳の補完なので、並行が必要)
  2. 早慶附属の過去問を週1〜2題ずつ解く (知識を実戦に活かす練習)
  3. 長文の精読を1日1題 (構造を意識して読む練習)

これらを組み合わせることで、教材で学んだ「3つの視点」が、本番で確実に使える力になります。

さあ、始めましょう

この序章の核心

英単語の世界には、地図がある。その地図は単語帳には載っていない ── 「3つの視点」がその地図である。

英単語の世界には、地図があります。

その地図は、単語帳には載っていません。

単語帳での暗記が大前提だとしても、その上にもうひとつ「構造の視点」を持っているかどうかで、当日の長文の見え方は劇的に変わります。

恩師が私に手渡してくれたその地図を、いまからあなたに渡します。

第1章で、まず3つの視点を手に入れてください。それだけで、あなたの英語の見え方が変わります。

そして第10章まで読み終わったとき、あなたは早慶附属の入試問題に対して、3つの視点を引き出しから取り出して使える状態になっています。

その状態を、私は「合格圏到達」と呼んでいます。

そこに至るまで、私は同行します。

ノートのページを1枚ずつめくるように、ゆっくり、確実に、進んでいきましょう。

次章へのつながり

第1章で、3つの視点 ── 状態V/動作V・自動詞/他動詞・接頭辞/語幹/接尾辞・コアイメージ ── の全体像を一気に俯瞰します。